そーいちろー

ちょっとの雨ならがまんのそーいちろーのレビュー・感想・評価

ちょっとの雨ならがまん(1983年製作の映画)
3.8
この当時のパンクス達の映像を観ると、強かった世間があり、歯向かうべき世界がこの国に存在していたことを感じさせる。抵抗がそれ自体として機能するためには、強力な反作用が必要なのだ。いま、なぜ反発や抵抗が起こらないかといえば、反作用ではなく、全てを悪い意味で受け止めてしまうような間延びした世間や常識が社会を覆っているからだろう。では反発しなくていいかと言えば、当然そんなわけでなく、抵抗は必要である。しかし、そういう抵抗を求めるもの達こそ「反抗」という高い商品を、ある一時期だけ大人達から買わされているようにすら感じさせる。刺激を受けるが、この映像の瑞々しさを感じれば感じるほど、今の自分自身の感じる停滞感のどうしようもなさを感じる。
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