ケビン

シュガー・ラッシュ:オンラインのケビンのレビュー・感想・評価

4.6
個人的には最高の一言。

どちらかというとブラックコメディ寄りというか、かなり際どいギャグも入れてて大人でも全然楽しめると思います。

予告でディズニーの歴代プリンセスが登場するところがクローズアップされていますが、もちろんファンサービスってだけでなく、ラストの結末と対になっていると感じました。

綺麗なドレスを着て、王子様に愛されて、どこかの国で幸せに暮らして、というのはもちろん素敵なことではあるけど、いわゆる「プリンセス」になること「だけ」が「良きこと」とは描いていないわけです。

自分の価値観の中の「幸せ」が、相手にとって必ずしも「幸せ」とは限らないわけで。または、それまでは一定の幸せを共有できていても、いろんな出会いで価値基準が変わっていったり、ぼんやりしていたものが明確になったり。

そうなると、何らかの形で折り合いをつける必要があるし、場合によってはすれ違って痛みが生じることもある。

この辺は現実でもよくあることで本当にヒリヒリしました。良かれと思ってやったことがただの手前勝手で余計にドツボにはまるとか、誰にでも少なからずそういう経験あると思うんですよね。

そう考えると、ラルフとヴァネロペは2人とも、自分を構成する要素の一つでもあるなーと思えてくるんです。

自分らしくあれる生き方を選択して自分の足で歩くこと、それを肯定してくれるラストは、とても他人事には思えない苦さと感動がありました。

ディズニーがプリンセスという役割を解き放った、本当に爽快な映画でした。
ケビン

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