最初から最後まで不穏で気持ち悪ーい映画なのだけど、
観ちゃう。ハマっちゃう。
いい感じに薄気味悪い後味を残してくれます。
神話に映画的解釈を求めたりするのが好きな方は是非観てみて欲しい。
スパゲッティとか全身麻酔とか脇毛とか...
観賞後しばらくはこの単語聞くだけでゾクゾクします。
キューブリックっぽい無駄に意味深なカメラワークや不協和音な音楽など、
何もかも意味深に不穏で不気味。
不幸を高みから見下ろすような意地の悪い視点が徹底されていて、
この視点がまた怖い。
まるで昆虫でも観察するかのように冷たく見下ろす俯瞰のカメラ。
何か下等な生き物が這いまわっていて、
それを黙って追い続ける視点。
まったく登場人物に優しさを持っておらず、
冷たく、どこか嘲笑うかのように突き放して観察する視点。
だから家族を襲う悲劇を描いていて、罪もない子供たちが悲惨な目にあう様子を描いているんだけど、
不思議なほどに「かわいそう」という感情は湧かない。
本当に容赦のない描き方で、
ドタバタ喜劇のようにも描かれていて、
徹底してみっともなく、
身もフタもなく観察されていく家族。
ものすごいブラックジョーク映画です。