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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのGijoeGoのレビュー・感想・評価

3.8
ヨルゴス・ランディモス監督のロブスターに続いて鑑賞。
ずーっと不穏で心がざわつくのにクセになる作風。

登場人物の心情を表す音楽の使い方が際立つ。
構図も病院内では被写体の頭上から撮影する神の視点が意図的に入ってるのが印象的。
キューブリックやウェス・アンダーソンのようなシンメトリーな画角も今作でも見受けられる。

作品に対する興味の持続性が凄い。グイグイ引き込まれていく手腕が見事。
コリン・ファレルとバリー・キヨガンの不思議な関係性が徐々に明らかになり、それから奇妙な出来事が続きラストはとんでもない方向に向かっていく不条理的なオチ。

明確な謎が明かされず観客に委ねるのもロブスターと同様で余韻がたまらない。

何故足が動かなくなるのか、何故目から血が、何故家族の1人を犠牲にしなければならないのか?
そんな事が出来る彼は神的な存在なのかと思えば腑に落ちる。

元々酒飲んで手術した報いで家族が巻き添えになる。しかも最悪な方法で。
それをエンターテイメントに昇華する監督の手腕たるや。
寓話や教訓をベースに色々肉付けしたとも思える。

ロブスターと同じくコリン・ファレルがメインでニコール・キッドマンがアイズワイドシャットばりに身体を張った演技とバリー・キヨガンの異様な存在感が凄すぎる。
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