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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのliamのレビュー・感想・評価

3.7

監督は「ロブスター」のヨルゴス・ランティモス。主演は「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」のコリン・ファレル。他に「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」のニコール・キッドマン、「ダンケルク」のバリー・コーガン、「モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語」のラフィー・キャシディなどが出演。

心臓外科医のスティーブン(コリン・ファレル)は、美しい妻(ニコール・キッドマン)と二人の子供と一緒に郊外の豪邸に住んでいた。しかしある少年(バリー・コーガン)を家に招いたことをきっかけに、子供たちが突然歩けなくなり目から赤い血を流すなど、異変が起こり始める。スティーブンは、究極の選択を強いられることになる。

エウリピデスのアウリスのイピゲネイアを基にしている作品。

序盤から大分過激なシーンが登場する。苦手な人は注意が必要。

最初はストーリーが掴めず謎が続くが、スティーブンとマーティンの関係性が分かってからは理解できる。奇抜で謎な世界観はこの監督の特徴。
マーティンはスティーブンから様々な施しを受けるが、それを受け取りっぱなしではなく必ず返そうとする。その点がこの物語の重要なところ。
物語の終盤子供達が状況を理解し、親に対してアピールする姿は恐ろしいし哀しい。

この映画を正直に面白い作品と言うのは違和感があるけれど、間違いなく観てしまう作品にはなっている。

監督独特のカメラワークが癖になる。この不思議で不気味な世界観にマッチしている。アップした撮り方や引きのカメラワークを多用しているのも特徴。引きの方の意図が分からなくて調べたんだけど、第3者視点を印象付ける意味があるみたいでより人智を超えた意図を感じさせる効果がある。
また音楽の使い方も本当に不気味で恐ろしい。

不気味で恐ろしいが引き込まれる映画。
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