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22年目の告白 私が殺人犯ですのマーチのレビュー・感想・評価

2.9
【レビュー】
韓国映画『殺人の告白』の日本版リメイク作品。脚本には2年半の歳月を費やし、驚異の37稿で決定稿となった力作。

オリジナル『殺人の告白』を敢えて観るの我慢して本作を観ただけに勝手に期待値が高まってしまっていたのだと思うのですが、大衆作品といえどもサスペンスとしては分かり易すぎではなかったでしょうか。日本の法律に当てはめ、それなりにリメイクに際して脚色・ブラッシュアップしているのも分かるのですが、どうも説明過多だった様に思います。あと後半の結末前クレジットの効果は素晴らしかったのですが、最初のオープニングクレジットは不要でした。勘のいい人やクレジットに詳しい人はあの時点で諸々先が読めてしまいます。また、予想以上にエンターテイメントに特化していたため少し嫌悪感を抱いたというのもあります。そのエンタメ性がマッチしている場面もあったのですが、どんでん返しの結末がそれらを台無しにする様な後出しジャンケン感を少し醸し出していたため、思うように楽しめなかったのかもしれません。でもエンタメ性があるからこそ大衆娯楽作としてはウケる部分であり、フェイクの要でもある訳ですが、その描写を始めは良いと感じたものの、後半の展開を考えればもう少し薄めのテイストでも良かったのかな〜と思ったりもしました。

しかし、作り込まれたオープニングは日本的でありながら類を見ないカタチで素晴らしかったですし、予告や前半の展開の細部にまで拘って精密に作られているおかげであいつがアレだった時の衝撃がアレでアレしてアレだったんだと思います。

これ以上は無理です。どうやってもネタバレになってしまいます!

ただ、犯人の動機が非常に筋が通っていて人間的暗部を突いてきたあたりは設定としてかなり良かったです。あと結末もある意味スカッとする繋がりが感じられて、良かったと思います。

ハンディカメラで撮影📹したシーンの挿入、過去シーンは16mmフィルム🎞を使うなど、アンダーグラウンドな手法を使用し、大衆娯楽作であることを忘れさせられる演出は、入江監督さすがでした!!

俳優陣は実力派揃いなので、演技的違和は一切感じませんでしたし、評価も高い作品なので私のスコアに惑わされず、劇場に足を運んでいただけると幸いです。やはり藤原竜也さんと伊藤英明さんは素晴らしいですね、フェイクに上手いこと落とし込めたのは、お二人の演技力の賜物だったように思えます。音楽も中々効果的で、その場面でその音流す?!っていう意外性が面白かった。

あとおそらくですが、本編開始22分後にタイトルが出てきたのも作品に一貫性があって、いいなと思いました。まさか!と思って時計を見たら22分経過したところだったので、ゾクッとしましたね。計算してそこまで作り込んでいたことに感動したので前半は結構好みなのですが、後半が個人的に残念でした。


【p.s.】
前半はともかく後半は何書いてもネタバレになりそうなので、どの点が残念だったのか述べたいのですが、この辺で失礼しておきたいと思います( ̄^ ̄)ゞ!

皆さんが続々高評価の中、お茶🍵を濁してしまって申し訳ないのですが、嘘はつけないので御理解下さいm(_ _)m

【映画情報】
上映時間:117分
2017年 日本/監督・脚本 入江悠/脚本 平田研也/音楽 横山克/キャスト 藤原竜也/伊藤英明/夏帆/野村周平/石橋杏奈/竜星涼/早乙女太一/平田満/岩松了/岩城滉一/仲村トオル/藤原竜也と伊藤英明がダブル主演し、2012年の韓国映画「殺人の告白」を原作に描くクライムサスペンス。22年前の連続殺人事件の犯人を名乗る男の「告白」が新たな事件を引き起こす様子を描き出す。
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