kyoko

ギフト 僕がきみに残せるもののkyokoのレビュー・感想・評価

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グリーソン本人の苦しみは、我々にはとうてい計り知れない。
かつては「英雄」だった自分と今の自分がどんどん離れていく。昨日できていたことが今日はできなくなっている恐怖に、自分なら気が狂ってしまうのではないかと思う。
それでも「白旗はあげない」のは、息子に残しておかなくてはならないものがあるから。

妻ミシェルの「私の気持ちは誰にも分からない」という言葉が刺さる。
身内に同じように過酷な介護生活を送っている者がいて、彼女が同じことを呟いていた。
どんなに寄り添おうとしても、当事者の気持ちを100%理解することはできない。彼女のSOSには精いっぱい応えてあげたいと思っていても、思っているだけじゃなんの意味もないのだと、行動しないとダメなんだと、今さらながら気づかされた。

ホーキング博士が亡くなったニュースは、グリーソンはじめ世界中のALSと闘う人たちはどう受けとめたんだろうか。
どうか絶望はしないでほしいと願うばかりだ。
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