このレビューはネタバレを含みます
5年ほど前に原作を読んだ。映画もあるのかとずっと観なければと思いつつ、観る気分になれなかった。
原作の記憶は薄っすらとしかないが、その理由がなんとなく分かった。
なかなか心が締め付けられる、苦しい作品なのだ。
15歳で天涯孤独になった少年の境遇は過酷で、普通なら施設を頼るのだろうが、なぜ荒野への道を選んだのか。
母親を知らない少年が優しかった伯母を求めるのは理解できるが、殺処分を避けるために無許可で馬を連れ出し、馬に乗るのではなく馬を引いて歩き続けるなんて、苦難しか待っていないのは想像できただろう。
アメリカの荒野は気が遠くなるほど広い。
伯母に会えてよかったし、そこで溢れ出す言葉の数々が胸にズシンと重くのしかかるが、この先見知らぬ心優しい人達の親切に感謝し、犯した数々の罪と向き合い償う人生に葛藤しながらも大人になっていってほしいと願った。
そして、しっかり勉強をしてフットボールも楽しんでほしい。本当によく頑張ったねと声をかけたくもなった。