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92年の夏のSPNminacoのレビュー・感想・評価

92年の夏(2015年製作の映画)
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ユーロ2021が始まる中、ユーロ92でユーゴ代表の代わりに急遽出場したにも関わらず優勝してしまったデンマーク代表の映画化を。ラウドルップ兄弟ら選手を演じる俳優がざっくり特徴を捉えてはいて、とりあえず態度がデカいシュマイケルに笑った(見た目は随分ほっそい)。
けど、主役はニールセン監督だ。かつてダニッシュ・ダイナマイトの栄光を引きずるヌルい代表を変えようと燃えるも、何故かさっぱり人望がなく、協会やメディアやラウドルップ兄弟も冷たい。たぶんガチすぎて付いていけないタイプか。話が細かすぎて伝わりにくいし。そんな誰にも期待されない中で、モチベーション低い代表チームは如何に奇跡を起こしたのか?
でも時系列にサクサク進行し、再現ドラマ以上の工夫がなかった。ヴィルフォルトの闘病中の娘さんの件があるとはいえ、ダークホースが何かのキッカケで覚醒し一致団結!と盛り上がる見せ場も特にない。折角の分析メモが役立ったとかでなく、監督の歩み寄りとプレッシャーの無さが功を奏したみたいな。代わりに、監督視点のせいか国内メディアと協会の意固地さ進歩のなさには拘りが。一般的「トップがダメな例」としてはよくわかるけど、デンマーク固有の事情が知りたかった。
実際の映像と再現演技をツギハギした試合シーンは懐かしいのだが(カントナもチラッと出てくる)、いっそドキュメンタリーで観たかった。
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