叡福寺清子

アルティメット・サイクロンの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

3.6
サイクロンといえばジョーカーですよね・・・
いえ,なんでもありません.独り言です.聞き流して下さい.
さて厳ついタイトルから連想するようなディザスター・ムービーではございません.明らかに邦題が間違っています.邦題改悪裁判に審査してもらう必要があります.
ではどういう内容か.電線マンという過酷なお仕事紹介作品です(でも伊東四朗さんや小松政夫さんとか出演しないから!!).電線の保守点検業務に従事する漢たちの物語です.老朽化した電信柱の交換作業に日々追われ,しかも大型台風がやってくる.プライベートではかわいい姪っ子が「あのくそったれ」の子供を妊娠しただと!ふざけんな!!
そしてついにやって来た嵐の夜・・・
エンドタイトルで殉職した電線マンのための基金が紹介される.本作はその基金への募金をお願いするための作品という一面もある.そう言われると狡っ辛い印象を持つが,実際に作中の過酷な作業を観た後だと募金しようかなって気にもなる.それだけ作品に説得力があったという事だ.冒頭のトラボルタの髭にはリアリティなかったけど.
さて余談である.東日本大震災が発生した年,とある反原発集会にて某音楽家が「マイク」を手に「たかが電気で」という言葉を使って演説をした.世界的にも著名な音楽家で映画音楽も何本も担当している,「テクノポップといえば」という質問に対して思い浮かべる名前の筆頭に登場する人物である.私は人として,その音楽家よりも名もなき電線マン達に敬意をはらう者でありたい.
折しも2018年9月大阪では台風により北海道では震災により電気網が寸断された.が電線マン達の不眠不休の活動により速やかに復旧したのである.アメリカの電線マンだけじゃなく日本の電線マンもやるなぁというお話である.