お湯

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのお湯のレビュー・感想・評価

4.2
スコア変動2.9→4.2

◇1回目 2.9点
難しい映画だな、という印象。
あえて、こういう「死」というものがもつ、不安定さを表現しているのだとは思うけれど、やっぱり監督の心の状態が心配になってしまいます……。

主演の女優の方のセリフの言い回しが、より一層、こう、死にたくなるような感情を観客に共有させる。
立教映身の卒制「みちていく」を見た時と同じ感情になりました。


詩的なセリフに惹かれやすい私ですが、こんな感情取り入れたくない、という拒絶反応が出てしまった。セリフとしてはすごい素敵だけど。詩が原作なら仕方ないけれど!

やっぱりモノローグやナレーションは短くないと、頭に入ってきません……

渋谷や新宿の町並みが多く出てくる。
渋谷のユーロスペースで見たので、それが面白かった。

これ見た時は、かなり精神的に安定している時期だったので、映画として楽しめたけれど、今とか見たら参っちゃうよな、って思います!時期を選ぶ作品。
なんだか、色んなところで、ムーンライトと重なるなって思いました。


池松壮亮かわいい!
市川実日子きれい!!
それが救い!

そして今まで出会ってきたタイトルの中で一番惹かれた。言ってしまえば、タイトルで見ようと決めた。フライヤーも素敵。




◇2回目 4.2
たぶん、たぶんだけど、この映画に感情移入してしまうことは、人間として危ない方向に向かっている気もする。

一回目に見た時は、本当に本当に幸せな時期だったから。


大きく心が壊れてしまった後の私には、あまりにも響きすぎて、大好きな映画になった。
死にたい。じゃなくてきっと、生きたい。
そんな映画。


怪我をしてできた傷や、ひどいことをされて歪んでしまった心は、きっと元に戻ることは無い。
その、戻ることができない傷や歪みを背負いながら生きていくことは、諦めることと同じ。でも、本当は生きていくことを諦めたくないから、傷と歪みを諦めるのかもしれない。



全ての詩を理解することは出来ないし、全ての詩の意味が私の中に入ってくるわけではないけど、
詩の中で一つのでも、私が私自身を重ねることができたら良い。

都会を好きになったら、自殺したのと一緒だよ。
、そうなのかもしれない。
死にたくても、自分が嫌いでも、私が私であり続けることを変えてしまったら、それは本当の意味で死を表すから、
嫌な私でも、私自身であり続けたい。


人身事故が起きた時、テレビの速報で人が死んだことを知った時、緊急地震速報を耳にした時、
「ああまたか」なんて思いながら、心の中がぎゅっとして、誰かに抱きしめて欲しくて、誰かを抱きしめたくて、でもそんな私は孤独で。

こんな毎日が続く中で、こんな映画をまた見れてよかったな。
みか、しんじ、元気でね。
お湯

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