フライ

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのフライのレビュー・感想・評価

3.8
東京で働く二人の男女が、悲観的な日常と交流を、リアルで残酷に描いたストーリーは圧迫感と苦しさを感じたが…
昼間は病院の看護師として働き、夜はガールズバーで働く石橋静河が演じる美香と、重労働に勤しみ建設現場の日雇労働者として働く池松壮亮が演じる慎二の二人が、色々な問題や悩みと葛藤しながら生きる姿は悲壮感を覚えたし、観ていてとても辛かった。東京で暮らす事の生きやすさと息苦しさを終始感じながら、二人がかもし出す独特な恋愛表現は、今まで感じたことの無い気持ち悪さと不快感を覚えた。それでも終盤美香が恋愛について問う詩的で哲学的な質問を単純に返す慎二はかっこよかったし、素敵に思えた。
自分の立ち位置や環境により感じ方や見方がかなり変わる作品に思えたが、自分自身が昔感じた若さ故の葛藤と、残酷に感じた世の中を作品の中に感じたし、幾ら苦しんで考えても幸せに感じる事は身近にある些細な事だと教えらる様な内容は、とても前向きにもなれた作品。
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