ペンソー

レッド・スパローのペンソーのレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
3.6
"ハンガーゲーム"シリーズのF・ローレンス監督、J・ローレンス主演作品。

冷戦時代の東西ドイツのスパイ合戦を彷彿とさせるような現代の米露によるスパイモノ。

ロシア内部にスパイを抱えるアメリカ、またそれに対抗する形でアメリカにスパイを送り込むロシア。
そのコマとして使われることとなったスパローこと主人公のJ・ローレンス。
「女」を武器にあらゆる手を使い、数多の人間を籠絡していく様はあまり観ていて気分の良いものではなかった。
また、スパローの育成過程における非人道的な訓練とも言えないような訓練の数々、一人の人間として扱われず、祖国のために活動するコマとして育て上げられていく中でも自らの芯を持ち続けた主人公はカッコよかった。

ストーリーは伏線がしっかりとしていて、米露が血眼で探している「モグラ」、ラストのあっと驚く展開にはなるほどとなった。

ロシアの描写がひどく、個人の自由が認められない「悪の国家」、一方でアメリカは個人の自由が認められ、人間をコマとして扱わない「善の国家」としてここまで明確に描写されると、「ロシアはアメリカからはこういう国だと思われているんだなぁ」と感じずにはいられなかった。

J・アイアンズ、相変わらず渋くてカッコいい。

冷戦終結後も米露によるスパイの戦いは続いているのだろうか?
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