りっく

ANTIPORNO アンチポルノのりっくのレビュー・感想・評価

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
3.0
現実と虚構が入り乱れ、主従関係も反転させることで、めくるめく迷宮を描いた本作は、女優に厳しい指導をすることで本性をむき出しにする園子温自らの演出をメタ的に投影しつつ、ロマンポルノという枠組みを園色に染め上げ、むしろ女優という生き物へ扉を開け、その生態に迫る試みのようにも思える。

新人女優の体当たり演技はもちろんのこと、やはり必見は筒井真理子の肝の据わった脱ぎっぷりと変幻自在の演技力。「淵に立つ」含め、彼女の演技に対する覚悟を目の当たりにするだけでも一見の価値がある作品。
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