Aria

密偵のAriaのレビュー・感想・評価

密偵(2016年製作の映画)
4.0
朝鮮半島とそれを統治する日本。
独立を目指す義烈団と日本軍の情報合戦。

平気で同士を売る朝鮮人と
反乱軍を消すために何人もの諜報員を
放つ日本軍。

誰が敵で誰が味方か。
バレてるのかバレてないのか
バレてて利用されてるのか

どっちに転ぶか分からない
ハラハラ感が凄まじい。

あと何といっても
ソン・ガンホとコン・ユの
キャラクターがめちゃくちゃ良い。
あと橋本も(笑)

橋本の高速往復ビンタは
もう一度見たいレベル( ^ω^ )








※以下、ネタバレに大きく言及してますのでご注意ください。

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●キム・ウジンと「アニキ」
最初はお互い、利用するために
近づいた二人。

キム・ウジンはイ・ジョンチュルに
取り入るため彼をわざとアニキと呼び
慕っているように繕っていた。

二人して酔っ払っているフリをして
疑いあっていたのには笑った

団長の説得と脅しにより
義烈団側に付くことになったイ・ジョンチュル。

もちろん好きで日本の犬になっていた
訳ではないので二重スパイなんてことはせず
純粋に義烈団の手助けをする。

ど緊張の列車シーンのラスト
次に会うときは敵同士だという発言。

ラストの裁判のシーンを見てから
振り返るとぐっと来るものがある。

キム・ウジンは日本の犬となっていたジョンチュルにも祖国を愛し守る気持ちがあるはずだと見通して、彼を信頼し最後には大仕事を委ねた。

小屋でのアニキ呼びは
出会った頃の呼び方とは違って
聞こえてとても良かった。



●列車シーン
1番ハラハラしたシーンであり
1番面白かったシーン。

完全に組織を裏切った行動に出たジョンチュルと
彼に疑いを持つ橋本との攻防戦。

またウジン側もまだ内部に密偵が残っていると知り、橋本の追跡をギリギリで回避しながら密偵をあぶり出す行動に出る。

橋本のギロリとした目と
完全に目が泳いでるジョンチュル

ジョンチュル焦りが出すぎて
橋本にバレバレだよ!
と思いました(笑)


●断れないお酒
団長がジョンチュルを密偵として
引き入れるべくウジンと共に
朝食を食べます。

すると団長が奥から酒樽を持ってきて
ウジンとジョンチュル、そして自分の
器に目一杯注ぎ入れる。

そして3人でぐびっと飲み干し
また全員の器に目一杯注ぎ入れる…

の繰り返しが続くシーン。

朝鮮及び韓国ではお酒を飲むイコール
友好の証だと以前聞いた事があります。

注いでもらった酒を断る、残すイコール…
という事でしょうか。

互いの信頼や、忠誠を確認するかのごとく
延々と酒を飲むシーンは向こうのお国
ならではで面白かったです。



●写真の伏線
本編前半で出てくる
写真館でヨンゲスンがウジンに
写真を撮ってもらうシーン

ゲスンはハンガリー人の夫がいるが
爆弾協力のための結婚の様子…

ゲスンとウジンの何かありげな
空気感は察しつつ特に写真シーンは
深く考えていませんでしたが

最後に伏線回収されました。
愛故の写真でしたがそれが愛する人を
危険にさらす事になるとは…。

東がさらっと写真を見せて
ジョンチュルが情報をもらしたんじゃないよ
写真のせいで捕まったんだよ、と
ネタバラシをしましたが

ウジンがジョンチュルを
疑う描写がなかったので

そのシーンの前に
ジョンチュルが漏らしたのではという
疑いや憎悪の気持ちが出ているシーン
があれば良かったなぁ…と思いました。
Aria

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