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バトル・イン・ヘブンのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

バトル・イン・ヘブン(2005年製作の映画)
2.0
[バトル・オン・ザ・ベッドの間違いでは] 40点

さて、カルロス・レイガダスである。好きな監督じゃないことくらい分かっているのだが、"1%の人間にはハマる"という文言の持つ魔力から未見作品も気になってしまうという迷惑な監督だ。『闇のあとの光』で唐突のスワップセックス、『われらの時代』で妻を物のように扱う夫(しかも演じるのは監督夫婦)を世界に見せつけてきたレイガダスが、その監督二作目で"フェラから始まってフェラで終わる"作品を撮ったと言っても別に驚かないだろう。

主人公のマルコスは長年"大佐"と呼ばれる男の運転手をやっている太ったおっさんで、雇い主の娘アンナが彼をフェラするシーンで映画は幕を開ける。アンナを空港に迎えに行くと、彼女は勤めているらしい売春宿に送らせて、別の娼婦を彼にあてがう。しかし、マルコスはアンナが良いと言って彼女を呼び、"誘拐した親戚の赤ちゃんが今朝死んだ"と伝える。以降はこの誘拐死亡事件に対する後悔やアンナへの思いなどが色々と綴られ、最終的にアンナを刺殺して逃走し、聖堂への巡礼に巻き込まれる。

宗教的な色合いを帯びているのは多分そうなんだけども、個人的には単に可愛くなった雇用主の若い娘と自分を投影したおっさんがヤッてる姿を撮りたかっただけだと思う。誘拐事件に付随する焦りや諦め、後悔などの感情も及第点ではあるが大満足とまではいかない。運転中もセックス中も変わらず無表情だったマルコスが、無表情のままアンナを殺すのは良かったけど。

唯一印象的なのはマルコスとアンナがセックスしているとき、カメラが不意に部屋を出て奇妙に一周して戻ってくるシーン。あれは神がかってた。
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