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GODZILLA 怪獣惑星のしゃにむのレビュー・感想・評価

GODZILLA 怪獣惑星(2017年製作の映画)
1.5
「俺たちが、ゴジラだ‼︎」

チ〜ン、ゴジラ(33-4)

↓あらすじ
突如、怪獣がうじゃうじゃ湧いて出て人類は存亡の危機に瀕した。ゴジラの出現が人類の地球脱出の決定打となり人類は第2の地球を求めて宇宙航海へと旅立った。22年後。飢えと乾きが現実問題として立ち塞がり、航海が困難になる。帰る場所がない不安感にクルー達の顔から正気が失われる。失意の中、とある論文が噂される。無敵のゴジラの弱点を考察する論文に人類は決断する。地球への帰還とゴジラの討伐…

・感想
主人公の声優、宮野真守の独壇場…ほとんど彼に振り回される作品である。デスノートの夜神月みたいに狂気的な役柄を演じると右に出る者はいないと個人的に思っているが、例によって今回も熱苦しい。打つ手なしのどん詰まりの状況下で、テロまがいの危険行為に出たり、違法な情報を集めたり、ゴジラへの個人的な憤りから残り僅かな人類を死地に連れ出したり、弱点をあぶり出すためにカミカゼ的な危険きわまりない作戦を立てたり、コネを利用して指揮権を獲得したり…事なかれ主義の元老院が慎重過ぎて苛立つのも分かるけど、冷静さに欠ける熱血漢が復讐にただ突っ走る一方的な展開な気がする。声優陣は豪華な顔触れ(声触れと言うべきか)だけど、イエスマンが多い印象である。主人公の意見にハイハイ納得して、あれよあれよと言う間に地球に帰り、デンジャラスな作戦に。サクサク進む。ジャンプ漫画みたいな王道を征く熱血怪獣映画とでも言うべきか。社会派作風のシン・ゴジラの後に観たらストレート過ぎて中身がないように観えてしまう。こちらのゴジラはなんだかゴツい。目ん玉が人間みたいで普通過ぎて捻りがない。総合的に観てもゴツいなぁと思うくらいで魅力に欠ける。身もふたもない言い方だけど、声優さんの熱演目的に鑑賞するのが一番いいだろう。

・トンデモ作戦
こちらのゴジラはエヴァのATフィールドみたいな便利なシールドを発生させて攻撃を一切受け付けないチート機能を持つ。都合のいい話だけどなんだかんだで弱点はある。弱点を出現させるためにあの手この手の作戦を打ち出すわけだけど、なかなか無茶である。ピンポイントで集中砲火を浴びせる為にゴジラを誘導する。誘導の仕方が無茶苦茶。飛行機みたいに飛ぶバイクで戦隊を組み、ゴジラに豆鉄砲を喰らわせる。ゴジラはハエ叩きみたいにビームで戦隊を潰す。何せバイクだからほとんど露出していてビームで焼かれる様が無残というか、残酷というか。極め付けは主人公の無鉄砲具合で、隊列を組まずに単騎でゴジラにちょっかいをかける。単騎で超至近距離まで近づくのは無謀すぎて二階のシートから転げ落ちた(全治35億年の大怪我) 主人公補正はやはりアニメだなと。宮野真守にただひたすらひっぱられる内容だった。エンドロールで流れるニトロプラスの名前…嫌な予感…最後は、なるほど。最後まで着席を。
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