まめまめちゃん

アシュラのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
5.0
本作には「いい人」がひとりも出てこない。
クズばかりの組織はより悪賢く弁がたつ順に序列化するんだということがわかる。
ファン・ジョンミンが演じる市長は、その場しのぎでさえも完璧な上に、弁も立ちオーラもある紛れもないトップ。
対するクァク・ドウォン演じる検事やチョン・ウソン演じる刑事は、職業なんて関係なくどちらも精神的な底辺である。しかし崖っぷちに追い込まれた時のブチ切れ具合は失うもののない方が果てしない。

みんながみんな悪い方への突き抜け方が凄過ぎて、嫌な気持ちでいっぱいになってきた時・・・
チョン・ウソンのコップのアレをきっかけとした戦闘開始! にトリハダ。彼のブチキレに市長の作り笑いがスッと消え…からのラストまでの人間どんだけクズになれるか合戦。あんなに血が流れたのにすごくスッキリしてしまった自分に驚いた。

この世は小狡くて声の大きな奴ほど欲しいものを手に入れているように見える。
そんなやつの下で愚直に働かされ板挟みを受け入れ苦しい立場になってしまったら、内部告発でもして爆発してしまいたいよと、チョン・ウソンに激しく共感した私は、結局は犬で社畜に過ぎないのであった。

噂のカーチェイスは確かに音の演出もあって凄かったのだけど、とにかくラストのインパクトが凄すぎて。破滅への突破口という位置付けでありあまり記憶に残ってないんだ…!DVD買ったのでこれから死ぬほど見る!