霜月

君の名前で僕を呼んでの霜月のレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.5
木々の間を吹き抜ける新緑の風
水面に揺れる夏の色
耳を撫でる鳥たちの声

熟した果実のような瑞々しさと
爽やかな風が出会い一夏の恋に落ちる

柔らかな自然のなかで、
愛の喜びと痛みを知る


演じる者の表情だけでなく、その空気感を演出する全ての繊細な自然の声をも取りこぼさず作品におさめていることが印象的でした。主人公の心が動く時に、脳内で譜面として流れているのであろう弦とピアノの音色がこの作品のなんとも言えない柔らかさに寄り添っていてとても素敵でした。ラストシーン長尺1ショットの3分30秒、主人公と共に観る者が心の整理をつける余白として完璧な演出だと思いました。
霜月

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