SAtone52484

君の名前で僕を呼んでのSAtone52484のネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

美しい風景と音楽、そして美しい俳優による、普遍的なラブストーリー。



まず、北イタリアの美しい夏の景色、そしてシンプルで美しい音楽。それだけで作品に引き込まれます。それにも増して美しい、オリヴァー(アーミー・ハマー)とエリオ(ティモシー・シャラメ)!笑 美しい要素が盛りだくさんです。

その、美しさをさらに引き立てるのが、「駆け引き」と「痛み」。
1983年という時代。エリオより、少し大人なオリヴァーは自分自身の置かれた状況をよく理解している(でも、エリオに割と早い段階でアプローチしてみる、なーんてこともしてたり、やっぱり若い部分もあるけど…笑)。
それに対してエリオは、自分の性自認をし始め、戸惑い、少し暴走気味。オリヴァーのことが気になるから、ちょっと反抗的な態度を取ってしまう…なんてところは「中学生か!」って感じだし、キスしたくて、抱きつきたくて、たまらない!ジェスチャーはまるで子犬のよう。
駆け引きを経て、互いの想いを確認して強くしても、それを「ひと夏」そして「一生」心に刻み生きていくんだ、という痛み(時代的にそれを受け入れざるを得ない)。
季節が巡り、雪深い冬。エンディングの電話のシーンは、観ているこちらも苦しくなって、息が止まります。この季節の対比もまた、美しい。

エリオとオリヴァーを見守り、サポートをするエリオの両親の姿勢も、ストーリーの魅力のひとつ。
少々、物分かりが良すぎるのでは?!というぐらい、エリオとオリヴァーをお膳立てするんですが、そこにはやはり違う苦悩があるわけです。
オリヴァーと別れた直後の、お父さんの言葉が本当に沁みる(私はここで泣きました)。こんな言葉がかけられる懐の深い人間、生きている間に出会えたら、そして親だったら…なんてね。

5年後、10年後にみても色褪せないであろう、そんなストーリー。
SAtone52484

SAtone52484