この数年観た映画で1番良かった!
北イタリアの田舎町、一夏の青春、音楽…美しいものしか出てきません。
長回しを多用し、セリフは少なめです。それで土地の美しさ、人物の細やかな心情を描いています。
とにかく画面に映る絵をつくるのが上手い。17歳の少年を描くのにこれ以上美しく撮れるか?と思いました。
初恋の衝動と抑制、破綻が繊細に描かれ、多くの人が共感するストーリーだったと思います。
この映画は、エリオと年が近い頃と、オリヴァーより年上になった頃に観ると印象が変わりそうです。
オリヴァーは、エリオからは完璧な存在に見えますが、社会的にはまだ学生です。劇中歌「Love My Way」が流れるシーンでは、そんな彼の未熟さ・身勝手さが印象に残ります。
エリオに夢中になり、また弱さを隠そうとする傲慢な彼は、若いとしか言いようがありません。
原作小説では、彼等が再び思い出に向き合えるようになるまで、25年の月日がかかりました。
光、水、音楽、笑顔!青春を彩る全てが儚く美しい。
忘れられない映画です。