ぴのした

レザボア・ドッグスのぴのしたのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.0
タランティーノのデビュー作。めっちゃカッコイイ!!!

宝石店を襲った5人のギャング。しかしそこにはあらかじめ情報を仕入れていた警察が待ち構えていて、襲撃は失敗。命からがら逃げ込んだ倉庫で彼らは「この中に警察の犬がいる!」とお互いを疑い始めるのだが…。

映画全体を通して、独特のゆるい空気感と、それと相反するようで並存する緊張感がタランティーノらしい。なんというか下手に観客に媚びたり煽ったりしない演出がカッコイイんだと思う。緊張感のある場面で安っぽいBGMをつけたりしないし、無駄な(に見える)会話や場面を部分を省いたりもしない。

オレンジが刑事であることを告白する場面も、映画の中で大きな転換点であるにもかかわらず淡々としているし、ブロンドが車にガソリンを取りに行くシーンもくどいくらいの長回しで、そういうのが逆にリアリティを持った緊張感を生んでいるのかも知れない。

パルプフィクションと同じく時系列がバラバラになっていて、登場人物ごとの過去をたどることで事件全体の詳細が次第にわかっていくのも面白いね。

この映画の何がいいって、終盤にかけてのスピード感があるところよね。物語が急加速して人がバッタバッタ死んでいく。100分しかないってのもいい。パルプフィクションも同じようなギャング映画(あれはオシャレさが際立ってた)だったけど、それと比べるとこっちはまとまりが良くてカッコイイ印象。最高でした。