ギャス

トゥルー・グリットのギャスのレビュー・感想・評価

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)
3.4
復讐がテーマの西部劇と思いきや、会話劇?法廷劇?いや、取引劇と言った方がいいかもしれない。
不思議な味わい。面白かった。

冒頭から皆よくしゃべる。商才あふれ取引に長けた14歳の少女が堂々と男達と交渉する。
それにしても西部劇の形ではあるが、取引に次ぐ取引。大小さまざまな。奇妙な取引、予想外にポップで残酷な取引、何を失って何を得るか、そのバランスは合っているか。その辺を考えさせる。
コメディ的にふざけるシーンもシュールな味付け。歯医者とのシーンがお気に入り。誰にとって何が価値があるのかなど人それぞれ、とニヤニヤした。


ネタバレ
彼女は腕を失ったが命は得た。父の仇も殺せた。しかしその他にも何人も死んでいる。取引のバランスとしては傾いていそうにも思える。"可愛げもない"商才のせいか結婚はしなかった。一方、もう1人のトゥルーグリット(ど根性)である彼は誤字だらけの手紙で旅周りの芸人となっていることを知らせてきた。長生きはしたようだ。そして丁寧に葬ってもらえた。正負の法則とまではいかないが、不思議と後味は良い。

追記
これを見てかなりスッキリした。

https://youtu.be/wES2kvooZdc

https://youtu.be/yHAqSrDcffs

魂のラブストーリーが隠れていたとは。
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