うえびん

トゥルー・グリットのうえびんのレビュー・感想・評価

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)
3.7
痛快西部劇

2011年 アメリカ作品

『バスターのバラード』のコーエン兄弟の作品。随所に西部劇“愛”が感じられ、とにかく映像が美しい。

牧場主の父親を雇い人のチェイニーに殺された14歳の少女マティが、大酒飲みの連邦保安官コグバーンとテキサス・レンジャーのラビーフを引き連れ(連れられて?)、父の仇を取るといったストーリー。

時代は、南北戦争後19世紀後半のアメリカ西部アーカンソー。市民公開の縛り首、テキサスのレンジャー、メソジスト派のキリスト教徒たち、馬、紙巻きタバコ…、当時の時代の風が存分に感じられる。

何よりも、コーエン作品は“銃”が印象に残る。日本の武士の“刀”と同じような身体の一部であり、単なる武器ではなく、精神性も込められたものだったんだ。だから、そう簡単に規制できないのだと思った。

コグバーンはタフな保安官。ぶっきらぼうな“本物の勇者”(true grid)。正義を貫き通す男。ラビーフはテキサス洲警備隊出身。カービン銃の名手。チェイニーは卑怯者。人物造形が単純明快。正義と悪の闘いと勧善懲悪。父の仇討ちを通じてマティに芽生える“本物の勇気”(true grid)。

馴染みやすいストーリーと分かりやすい二項対立、おとぎ話のような雰囲気もあって、安心して楽しめるテーマパークのような作品。
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