このレビューはネタバレを含みます
“タイムトラベル”と聞くと、
時空を行き来するイメージを持っていたんだけど、
本作では《現在》にいたまま、《過去》と対峙し、
異なる時点が同時に進行していくのが
新鮮で面白かった。
時間が交錯するものの、
演出方法が工夫されているので
余計な混乱が起きず、
観やすかった点もよかった。
主人公の心の入れ替わり具合には
少々呆れてしまう場面もあったが(苦笑)
失ってから気付く当たり前の幸せとは
まさにこういうことなんだろうな、と。
個人的には《過去》の犯人との攻防によって
《現在》の棚からモノが消えていくシーンが
印象的で好きだった。
見えないけれど確かに存在する犯人と
戦っている臨場感、緊迫感が◎
本作では《過去》を変えることで
《現在》の状況も変わっていくので
いわゆる“パラレルワールド”ではない。
だからこそ家族を救うことへと繋がった訳だが、
ラストの電話はなんとも皮肉...
ずっとその“時”から抜け出せない、
絶望感も残るラストだった。
2020-078