rollin

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版のrollinのレビュー・感想・評価

4.8
㊗️ 牯嶺街少年殺人事件BD発売!!٩( ᐛ )و

失礼極まりない言い方をすると、rollinは台湾を戦争で負けなかった架空の日本という、誤ったSF的見方をしている節があって、今作の舞台や登場人物の愛称もすげぇかっこいいと思ってしまいました。縄張り意識の強い少年たちのトライブ感は完全にAKIRAやし、もうワクワクしっぱなし。

そしてとにかく圧倒的な闇。
牯嶺街少年殺人事件には、学生時代胸を躍らせた、夏祭りの夜店を巡る時の茹だるような生命の熱気と、露店の奥に息づく闇の恐ろしさが混在していて、そんな生(性)と死の予感が四時間続く祭り映画と言っても過言ではありまへんでした。
暗い映画館で暗闇を見つめると最早スクリーンと現実の境目は無くなりはじめ、野外で観ているような不思議な緊張&臨場感を味わえました。それは虫の声や匂いまで伝わってきそうな節操あるMX4Dなのでがんす。

質量保存された暴力の果ての少年少女世界。けがれを晴らすための祭りと生贄。まさに台風クラブ。そして小四が見出した「光」。
ロングショットと長回しでとらえた状況の絶え間ない変化、生き物のような闇が独特のグルーヴを生んでいて、決して集中は途切れませんでした。こりゃ事件やわ。
rollin

rollin