我々は等しく同じ生物。のはずなのに。
愛おしい、愛の物語。
人は誰しも不器用で、相手に対して抱く愛の形やそれの伝え方がわからない。
自分の心の中にある愛がわからない。
他人の愛が自身と違えば、理解ができないししようとしない。
人によっては自身の中にあるはずの愛に、長年の間気付けない。
いちばん近くの者でさえ。
全編にわたって、繊細で儚くて、でもきっとわたしたちの生には力強く根付いているような、他者へ対する愛を中心に感情の機微が丁寧に描かれていた。
隣人を愛することの難しさと、幸福。
自分の感情に正直になることは怖くて、他者に愛を示すことに怯える。
それでも、そんな感情すら愛おしくなる、素敵な映画でした。