まりも

女神の見えざる手のまりものネタバレレビュー・内容・結末

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ジェシカ・チャステイン、カッコいいぞ!
またも独断と偏見により今までは、なんだか辛気くさい人だなあ、と勝手なイメージを持っていました。役柄や奥まった目、幸薄そうなお顔立ちのせいかもしれません。いや失礼!撤回します。お見それしました!

この潔いほどに高飛車でキッツい女ロビイスト。ロビイストという職業が身近でないのですが、
[ロビイストとは利益を政治に反映させるために、政党・議員・官僚などに働きかけることを専門とする人々。米国議会のロビーなどで議員と話し合うという慣行からできた語。](←コトバンクより抜粋) らしいです。
どんなものも結果のために利用する。もちろん敵だらけ。周りに畏怖の念を抱かせる強さ。これは難しい役でしょう。人によってはわざとらしくなったり、ただの嫌な女になる。
惹かれるのはその率直さです。やっぱり自分に正直な人は好きだ。仕事上、言わない嘘はつくとしても、自分を欺く嘘はけして言わないんですよね。いつも正しいわけじゃないが、けして言い訳しない。誰かのせいにもしない。反発や否定にもびくともせず。少なくとも一見はそう見えます。そういう人こそ自分の傷を痛みとしてそのまんま引き受けていると思うのです。あれ?この人、自分の勝ちの為ではなく信ずるものの為に闘っとるんじゃないか?と気づいたときの胸に広がる熱さときたら。何かを得るためには自分の何かを差し出す覚悟。
もう途中からは侍にしか見えませんでした。だから離れていく人がいるとしても、ちゃんとついてくる人たちもいるんですな。

これが甘々な脚本でしたら、もっと彼女の可哀想な過去や苦悩する姿を見せて観客を安心させたがると思うのですが、そこを最後まで語らずに伝える撮り方や演技の在り方がほんとカッコよかったです。

あと特筆すべきは服。どれもすてきで、ただのキャリア女性の服というより、ちょっとしたところに精神性を感じさせる着こなしでした。デキる女のハイファッションでありながら、実は細部に明確な反骨精神が。パンク。
それとジェシカ・チャステインて痩せているように見えて、二の腕や下っ腹などちゃんと肉を感じさせるんですの。柔らかそうだ。わたしの好きなタイプの身体でした。結局身体目当てな人みたいになってしまった~笑
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