“もうドイツもコイツもホント馬鹿ばっかで大キライ!え、誰が一番キライかって?…そんなの私自身に決まってるじゃない”
処女で気難しい17歳の女の子が繰り広げる青春スクール系こじらせコメディ。
ウェスアンダーソン作品とか松岡茉優主演の『勝手にふるえてろ』あたりが好きな人はそのまま入っていける事間違いなしのナイーブでシュールなギャグの連発。そして時折人生の核心を突いてる名言が出てくる感じが良い。
キャラクターがみんな冴えてる。
ストーリーは割と出尽くした感のある学園と家族を行き来する10代の青春と恋の葛藤モノのはずなんだけど、
女を捨てきれない母、ナイスガイな兄、見てるこっちが応援したくなるシャイボーイのボーイフレンド候補、やる気なさそうでいてロックでニヒルな先生…
みんなポジショニングが基本に忠実かつ、リアルで面白い会話劇を展開してくれるため、共感しながら意外性を持って見守れる。
そのおかげでイライラする他のガーリーな安っぽい恋愛映画とは一線を画する仕上がりになっている。
自分はシャイボーイにめちゃくちゃ感情移入してしまって
「みんなで遊びに行こう…じゃねえよ!お前を誘ってるのにはぐらかすんじゃねえ!暇なクセにお高く止まってるんじゃねえ!」
って握り拳をキメながら主人公を叱った笑
そこら辺もめちゃ説得力ある内容で、
もしかしたら本作って主人公以外の誰かに必ず感情移入出来るようようなシステムになってるのかも、と感心した。
人生の格言や悪例がギッシリ詰め込まれた、見応えと楽しさ極まる一本だと思います。