TAK44マグナム

風鳴村のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

風鳴村(2016年製作の映画)
3.7
罪深き者たちよ、地獄へ堕ちよ!


GEO先行レンタルと知って借りて観ました!
いきなりですが、この邦題は一体何なのか(苦笑)
原題は「ウィンドミル・マサカー」なので、要するに「風車大虐殺」ですよね。
確かに風は関係ありそうですが、実際に観ると風が鳴いてるわけじゃないし、静かに風車が回っているだけ!
そもそも村なんて行かないし。
凄いジャケット詐欺(汗)
まぁ、以前からゴアだからと聞いて観たかった作品が「犬鳴村」のヒットに便乗して日本でも観られるようになったわけで、犬鳴村には感謝すべきでしょう。
でも同じホラーでもジャンルが違うんだけど、これ「犬鳴村」を観て面白いと思った人が借りたらGEOにクレームつけそうだけどな(汗)
「犬鳴村」はオカルト、本作はスラッシャーです。オカルト要素も混じってはいますけれど、あくまでも体裁はスラッシャーのそれ。
いわゆるJホラーの醍醐味とも言える湿り気はさほど感じられません。
言うなればヨーロッパの宗教観に基づくオカルト・スプラッター・スラッシャーですね。
個人的には「犬鳴村」の数倍怖くて面白かったですけれど、これは好みの問題でしょう。


オランダといえば風車だよね!
というわけで風車見学バスツアーに参加した人々。
主人公だけはチケットも無いのに、ある理由から無理やり乗りこみます。
ツアーの途中、何もないところでバスが故障、参加者たちは途方に暮れる。
でもよく外を見ると回っている風車があるじゃないですか。
助けを求めるため、主人公と軍人さんが訪ねようとしますがそこに現れたのは異様な風貌の大男!
手にはカマを持ち、軍人さんの両足がチョンパされてしまいます!
驚いて逃げた主人公の話を、まったく信じない他の参加者たち。
やがて、参加者の誰もが心に闇を抱えているのが露わになってきて・・・


これはうまくいけばシリーズ化もできそうな面白い設定の作品。
殺人鬼はもはや人間ではなく、悪魔に魂を売った元製粉業者なんですね。
風のない日でも風車に回ってほしくて悪魔と契約したんですって。
マジで?って感じの理由ですが、どうやらマジです。
そんなわけで悪魔に捧げるために人々を殺害してまわったんですが、ある日ついに風車ごと焼き討ちにあいます。
そりゃ被害者家族は怒り狂うでしょうからね、当然のように復讐されたわけです。
しかし、製粉業者は地獄の門番となって復活、今度は地獄送りになる予定の罪人を殺して裁くようになります。
ルックスとしては普通にグチャグチャになった顔面で、ジェイソンやバンボロとさほど変わらず。
そこまでキャラクター性は高くないかもしれませんが、殺害方法がだいぶ残酷なのは良いですね。
首や足はチョンパされ、はらわたは全開ドロドロ、女子の顔面もフックで大破壊ですよ!
こういったゴア描写はやはりウリなのか頑張っていて、血の色も濃くて迫力あります。
しっかり、ハッキリと見せてくれるのも好感度アップ!
キルカウントは少なめですが満足感は高め。
オカルト的スラッシャーということで、ホンの少しですが「エルム街の悪夢」っぽさもあるかもしれません。


ラストの「後日談」も後味が良い感じに嫌で、是非続きが観たくなる出来映えでございました。
ただ、ツアーの参加者に日本人もいるのですが、あれは絶対、日本人像をどこか勘違いしているぞ(苦笑)
日本語しか話せないのでコミュニケーションがとりづらいという設定はうまく機能していましたが・・・
役者さんは真面目に演じていらっしゃいましたけれどね。


レンタルDVDにて