幕のリア

おとなの事情の幕のリアのレビュー・感想・評価

おとなの事情(2016年製作の映画)
3.1
原題を意訳すると「真っ赤な他人」といったところか。
3組の夫婦と独り身の7人の会話劇。
小難しい要素は何もない深夜ドラマのような小気味の良い小品。


他愛も無い人間関係の中にも危うい平衡感覚が必要なのは万国共通。
外では月食が進む中で彼らの関係は満ちるのか欠けるのか。

何も全て話す必要は無い。
ちょっとした言い繕いでも、ついてはいけない嘘になる事はあり得る。
そんな言い繕いが決定的な綻びを生み結び直そうとしてもその前の一本の糸には戻らない。
結び目は不恰好なまま、時には再びいとも簡単に切れてしまう事もあるだろう。

R35くらいの設定が妥当か。
若いうちから見る必要は無いと思うが、良いテキストになるかもしれない。

ちょいとイイ感じで懲りないエンディングに深く長い溜息と苦笑が思わず漏れた。
幕のリア

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