何度でも観たい
圧倒的な魅力と存在感。
バレエ界の異端児セルゲイ·ポルーニンのドキュメンタリー。
史上最年少で英国ロイヤル·バレエ団のプリンシバルとなった天才。
類まれなる才能で「ヌレエフの再来」と称されながら、わずか2年で退団したスキャンダラスなダンサー。
本人や家族のインタビューなどを通し彼の軌跡と素顔を追う。
繊細な奇行士
ウクライナの一般家庭で産声を上げたセルゲイは一族の期待を一身に受け、才能と実績は応えるが気持ちがついていけずに目的を失う。
もっと太く、厚かましさが彼にあったなら…
貢献しているし、実力もある。
運営との対立は古典芸能の演者が直面する現実的な葛藤を浮き彫りにしている。
この人の世渡り下手の純粋さと、本質のプライドが周囲との軋轢を更に強固にしていく。
堕ちていく迷路は彼の悲鳴のようだった。
後戻り出来ない行為と離れられない才能、バレエへの思い。
紆余曲折しても絶対的なカリスマ。
天才って少し変わって見えるくらいのほうが個人的には惹きつけられる。
ラストのダンスシーン
儚く強く美しい
優美な野獣であり妖精
彼を世界は埋もれさせない。