ルイまる子

退屈な日々にさようならをのルイまる子のレビュー・感想・評価

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)
3.9
今泉力哉監督の瑞々しい3.11福島への思いのこもった作品。はじまりは、なんか今泉監督にそっくりなビジュアルの、ある(仕事のない)映画監督が撮ろうとした映像が却下される。

【若干ネタバレ】「女性が走る映像を撮ると胸が揺れコンプラに触れるから歩かせる。でも歩いていれば、一歩一歩着実で、いずれ目的地には到着するからそれでいい」とは、肯定してるのか否定してるのかわかりにくい。でもまぁその中途半端な場所から描いているのかな。
だから芸術の世界がどんどんつまらなくなり、虚無感に襲われるのか…または題名の意味である、そんなつまらない日常にさよならをし、死ぬ道を選びました。という意味でもいいし、死という選択でさえ、好きな女性に見守られ柔らかく優しく死にたければ死ねばいいのか。
双子の兄?の家では、なんとなく皆仲間で優しくクスっと可笑しい。ブラックな様で結構真面目に死について考えている。

【ネタバレあり】本作の良いところは、シチュエーションの面白さだ。死体を埋め穴を掘るところとか最高だ。女の子達がドアから次々と出てくる映像もとても自由で良かった。歌も良い。

しかし、自分が悪いのか、登場人物の関係性やら、物語の流れがよくわからず、う〜む?と思いながら眺める様に見ていて最後繋がったが、それでも未だに消化しきれない部分が少しある。

いやでも、さすが今泉力哉監督作品は全部好きです。本作もそういう中途半端なところも監督らしくて良かった。
ルイまる子

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