Aya

ブルーム・オブ・イエスタディのAyaのレビュー・感想・評価

3.4
えー?!アデル・エネルってドイツ語も喋れるの?!

いいですね。
いい大人が割礼してないペニス云々殴り合いの喧嘩してるのって(嘘ですw)

完全にコメディ。
ロマンチックコメディ。
ていうかフランス恋愛ものと言ってもいいw

ナチを祖父に持ちホロコースト研究家の癇癪持ちドイツ人中年男。
大きな会議(コングレス)を控え、主催の教授は心臓発作で亡くなってしまう。
その教授を慕う研究生としてフランスからやってきたアウシュビッツで祖母を亡くしたアデル・エネル。

この2人は最初から些細な考え方の相違で喧嘩ばかり。
しかもこの2人の祖父母は実は深い関係があったのだ。
彼の心の扉を開かせようとちょっと強引なくらいグイグイくるアデル・エネル。
対してなぜか頑なに拒否り、ナチ子孫だって大変なんだよ!とキレまくる男。

会議のスポンサーであり講演予定だったユダヤ人女優はナチ将校とのSEXネタや、美容整形について語った挙句、この男の態度に腹を立てキャンセルされたり、会議の運営委員会ではアデル・エネルの恋人(不倫。最初のペニスのくだりで喧嘩したのこいつ)とかとも揉めるし、果たして亡くなった教授悲願の会議は果たして成功するのか・・・。

いいですね〜アデル・エネル!
フランス娘のものすごい身勝手っぷりが最高w
犬投げた時すげえ笑ったw
自分で投げたのに泣きながら探してるし・・・フランス人だから、ね。犬ちゃんは、ね。

そしてまあ行動がいちいち突飛なんだ!
なんでこの男を引きとめようとして自分でペンキかぶるの?!
妻や子供もいるし、全然話が噛み合ってないのに、いきなりSEXに誘うの?!
てかあんたも恋人おるやないか!
しかしなかなか落ちないドイツの中年男にはある秘密が・・・。

突然、加害者の子と被害者の子の理論を「被害者の子供の多くが加害者の子供と寝て、無意識に超自我と和解する」と語るアデル・エネル・・・お、おう・・。
多分、日本人には一生解けないフランス娘の心内・・・。

この中年ドイツ男にはアフリカ系の5、6歳くらいの女の子の養子がいるんですけど、いちいち妻やアデル・エネルとSEX絡みの話で揉めてる時に限って近くに居るギャグwが結構ギリじゃね?と思いながら。

しかし、やはり男と女。
一緒に旅をしながら色んな人に会い、話を聞くことでお互い立場や思いを語り合い、どんどん距離が縮まってゆき、アウシュビッツの話から、SSやナチとの関連まで作用し、2人の男女関係はドロドロに・・・。

そしてラストのオチまで含めてめちゃフランス映画っぽい!
恋愛コメディだわ・・・。

重い題材を扱いながらも、現在生きている人と人の関係に焦点を当てることで、面白く見れるようになっているし、民族性の違いを結構強調してくるので、みんなのイメージするフランス娘を見事に演じて見せたアデル・エネルは、ここんとこ違う役柄をそれぞれの作品ごとにきちんと演じていて、さすがだし、何と言ってもこのドイツ男が情けないけどなんか憎めなくて、可愛くなってるとこも良いと思います。

Aya

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