いの

Dominion: Prequel to the Exorcist(原題)のいののネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

エクソシスト新参者です。フリードキンのエクソシストはおよそ2ヶ月前に初鑑賞したばかり。いったいそのあとに何作のエクソシストが存在するのかも知らず(ずぼらな怠け者です💦)。なんか今作も曰く付きのようだけど、wikiとかちゃんと読むのもめんどくさいし(ずぼらな怠け者です💦)、とにかく情報入れずに観てみることに。ポール・シュレイダー作品はこれから少しずつ観ていきたいと思っているところです。それから、ホラー映画のみかたもよくわかっていません。

以上、言い訳終了!

 
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エクソシスト前日譚
Prequel to the Exorcist


無印エクソシストの発掘現場には男根の象徴と思われる塔が冒頭に映される。今作の発掘現場で最初に映る塔(ドーム)は乳房のかたちをしていて、前作との〝対〟が感じられる。あのとき少女に憑いた悪魔は、今作では少年というか青年に。彼は障碍を抱えているということも意味深。無垢なるものに憑くというのか、村人からも差別されている者に憑くというのか。(このあと、2作の〝対〟について考えようと思ったけども、それはアタシにとっては無謀な挑戦で、最初しかわかりませんでした)


全体的な感想は、当たり前のことなのかもしれないけれど、とても真面目な作品であるということ。福田村で起きたことは福田村じゃなくても世界中で起きていることでもあって、戦争中に耐えがたい不条理なことは起きるし、それは戦後にも起きる。起きる というよりも、人間が起こしている。ここ(アフリカ東部、戦後まもないケニア・ナイロビだったと思います)でも差別は複合的に存在し、それにまつわる一触即発状態が続き、誰もが緊張を強いられる。


今作は、そのような差別や対立の話と、悪魔憑きの話が併走し、メリン神父(とフランシス神父)が二つの話を行き来する。強制収容所から生還した女性医師の話は、メリン神父の戦前の出来事と呼応する。


欲を言えば、悪魔にはもっと猥雑・卑猥な言葉を投げかけてほしかった気もするし、神父と悪魔との対峙はもっときわどいものでも良かった。もしかしたら、怖さの表現が、観ている者が求めるものと制作側が提示したかったものとの間に若干の乖離があったということなのかもしれない。今作の怖さは、表出されたものではなくてきっと深層にあって、誰もが抱えるであろう心の闇に焦点をあてているのかもしれません。想像に過ぎませんが。



※わたしなりの結論
フィルマの平均スコアは低すぎ
*3点台後半でもよかったのですが、わたしの特技のひとつはえこひいきなので、4.0にします!
いの

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