YasujiOshiba

ライフのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

ライフ(2017年製作の映画)
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英語版Wikipedia には Empire 紙のサマライズが読める。「部分的にはエイリアン、部分的にはゼロ・グラビティだが、そのどちらにも及ばない。とはいえライフは、まずまずのペースで進行し、十分に魅力的なアクションシーンによって、良い作品になっている」というのだけど、たしかにそんな感じ。すべて見たことがあるのだけど、きっちり作られているので退屈することはない。

それからなんといってもレベッカ・ファーガソン。最初に彼女を見たのはたぶん『ミッションインポッシブル/ローグネーション』(2015)のはずだけど、あんまり覚えていない。記憶にのこったのは『グレーテスト・ショーマン』(2017)のジェニー・リンド役。たとえその美しい歌声が本人のものではなくても、このときのファーガソンのきりりとした美しさはすごく印象的。なんといってもそのシャープな瞳とすっと通った鼻筋に、なんともいえん絶妙な表情が乗っかってくるものだからたまりません。この『ライフ』でも、そんな彼女の一見冷たそうで情熱的という瞳の演技にやられました。

(ちなみに彼女が演じた検疫官は英語で quarantine officer というのだけど、この Quarantine はイタリア語の40日の隔離という意味だけど、それについては『アビエーター』のレビューを参照)

そんなファーガソンの演技を引き出したのが、ジェイク・ジレンホールだよね。彼の作品はなんとっても『ドニー・ダーコ』(2001)だけど、ダンカン・ジョーンズの『ミッション: 8ミニッツ』も面白かったし、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『複製された男』なんかも味があったな。フィルモグラフィーを眺めるてると、まだ観てなくて面白さそうな作品がたくさんある。やっぱり目がいいんだろうな、ジレンホールも。ああいう目ができるのって、ほんと映画では重要なんだと思う。

そういう意味では真田広之も、むかしから独特の目つきをしていよな。最初にハッとさせられたのは『麻雀放浪記』(1984)だったと思うんだけど、その前の『戦国自衛隊』(1979)あたりから気にはなってたよね。今回は、エンジニアにしてはゴツい身体で、子供がうまれたばかりの父のやさしい目に挑戦したってわけね。

ところで、あのラストシーンは、賛否わかれるところだろうけれど、もうひとつ伏線があって、それが第3の結末につながるなんてのを期待したんだけど、案外ストレートだったよね。まあ、結末はあんなものかな。あんまり凝っても仕方ない。ともかくファーガソンとジレンホールの映画だってことなんだろうな。

余談だけど、この映画が『ヴェノム』の前日譚だという笑い話を笑うためにも、『ヴェノム』が見たくなってきたぼくでした。
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