ツナギ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのツナギのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

観賞

今までのバットマンを集約した新しい若いバットマン。ダークナイトの闇から護る騎士ではなく暗闇の光の中から現れたヒーロー。

劇中意図して画面は暗くよく雨が降り注ぐのはラストまでの溜めの演習なのだと思う。そしてこの街を表している。暗くジメジメとして陰鬱でどうしようもないと。

野心的な映画だったと思う。
冒頭の映からこの映画はヒーロー映画ではないと理解できる長回し。ただ冗長ではなく、そこにしっかりと意図がありこの映画全体の緊張感を途切らせる事なく描ききった。
今回のバットマンは若く、とてもリアルだ。己の復讐心に囚われ人を殴る事を厭わない。超絶技術の武器や車など派手なものはなく、人の手の中の範囲の強化が上手く探偵パートやカーチェイスや戦闘シーンでの緊迫感やボルテージが上がる演習と噛み合っている。
特にエンジンが唸るシーン。この演出はめちゃくちゃカッコいいロックのギターソロのような胸の高まりを感じさせた。劇中を通して何回かあるエンジンをふかすシーンはバットマンを象徴するテーマになってゆく。

強く思ったのはジョーカーと似ている事。犯罪を犯す事に罪悪感なく自らの力を好きなだけ誇示し無法に生きる。それがアイデンティティであるかの様に騒ぐゴッサムヴィラン。
これは今回だけでのことではないが個性を持たず、何かからコピーしたものをその場のノリなどの一過性のものを個性として何か大きなもの、流れに纏めて流される。そんな事が現実でも映画でも強くあると思う。インスタントな個性と個性を発揮できない社会。多様性など社会的な事を言ってはいるがそれは城の中から窓の外を眺めて言うだけで外の景色も世界も何も知らない
そんなもの達が様々な背景を都合よく解釈して自らのバックボーンを作り自由と暴力を履き違えながら発展してゆく。
ゴッサムの様な巨大な街の檻に囚われ
ツナギ

ツナギ