ツナギ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のツナギのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

因襲の果て
2023年最後に観た映画
告知もタイアップもなくよくぞここまでと思う。












細かいところはまだ分からないが、一つに見える事と見ない事/見えない事がテーマにあると思う。
水木の戦争から帰った後の本土も同じだという台詞や見えないものが見えるようになったと言うのはただの台詞以上の意味があると感じる。
見えない事にして蓋をして、利益をむさぼりそのおこぼれに知ってか知らずあずかる村人、怨みを使い自らの意志で人を殺めた事を見て欲しくないという女、エゴと発展醜くあるが人としの当たり前人らしい感情の動きでありそれは探さなくともどこにでもある姿だ。そしてその姿は何がそのものの正体で何が裏にあるのか。


電車の喫煙で子どもの咳き込む声は見えないし、勿論妖怪も見えない。


人とは分からないものを何かの型に当てはめて人知の及ぶものにして扱ってきた。
その中で恨みや嫉妬、欲望、など混ざった怨みは計らずも、元から人の形だったのではないだろうか。誰かが観ているし、観て欲しい。

会社からも社会からも軽んじられる水木にとって、人ではないが、自らを軽んじる事なく対等な相棒と接したゲ太郎。

尊厳とか個というか相容れない者も確かにあるが、2人は対等で共に酒を飲み共に走れる中だった。水木とゲ太郎以外の人物のやり取りは損得のある交渉でありある種の商談であった。その人ではなくその人のもたらす利益しか見ていなかった。

相手の尊厳を認めると言うことは言葉にするよりも難しいと思う。

忘れずに伝えることが一つの希望でありまた、呪いでもある。それはどの時代も因果を背負い次世代に希望を託すしかない、願わくば良い土壌を与えたい
ツナギ

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