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汚れたミルク/あるセールスマンの告発のBaadのレビュー・感想・評価

3.8
インド映画304本目は国際合作映画。

いろんな意味で意表を突いてくるところの多い映画でした。

インド=フランス=イギリスの合作の映画で監督はボスニア出身のダニス・タノヴィッチ。

主な俳優はボリウッドの第一線の俳優ばかりで、プロデューサーにはアウラング・カシャップの名もあります。製作費の大半は俳優・スタッフのギャラだと思いますが、これ回収できたのか?

私は、監督と主演の名前で見ましたが、タノヴィッチが監督及び国際合作したことによるインド映画との差は、非インド人俳優のレベルが高いのと(インド映画だとここでギャラケチっているのか結構適当な人連れて来ます)女優が母親とか妻という役で特に美人設定じゃなくても丁寧に綺麗に撮られていることでしょうか。
特に、母親役のスプリヤ・パタクさんはベストと言っていいくらい綺麗だったなあ。

内容に関してはちょっと驚くことが多かったのですが、学歴大学中退設定とはいえイムランはどう見てもインテリにしか見えないので、退社の時の経緯が唐突に感じました。

ミルクを薄める水が非衛生的で感染症で命を落とす人が多いということなんですが、売るときに指導はしないのか?
そもそも煮沸した湯冷ましで作らないっていうのが不思議でしたし、哺乳瓶も消毒しないの??と疑問符でいっぱいになりました。説明が缶にかいてあるって言っても、読めない人も多いよね。

一家が正義感が強く、筋を通すことにこだわる人たちだというのは説得力がありました。家族の生き方の描写が一番良くできていたかも。特別扱いを容認している中で、それが不正だとわかった時点で主人公よりきっぱりと筋を通そうとするとことろとか。

ストーリー的には痒いところに手が届かない感が強かったのですが、それも含めての状況を提示している手法は問題のありかを浮き彫りにしているという点では成功していたと思います。

制作年の翌年の2013年というのはインド映画100年の年ですね。
時期的に見てもスタッフからして意欲作であるのはわかるのですが、一般公開が日本だけというのは残念です。
DVDスルーやネット配信でも構わないので、もっと広く見られていい映画だと思いました。
(2017/12/26記)
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