このレビューはネタバレを含みます
脚本が秀逸。
ラストを観てから見返すとセリフの二面性がストーリー的に破綻なく表現されていて、美しさすら覚える。
特に警察から主人公を守ったように見えた序盤のシーンは、実は体を奪う前に揉め事を起こしたくないだけだったということが分かり、めちゃ怖な場面。
パーティーでの黒人差別を思わせる発言は、自分のものになるかもしれない肉体の品定めをしているセリフだった。
get outと叫ぶ相手は主人公に対してではなく、自分の体を乗っ取った白人の人格に対してだった。
家政婦が泣きながら笑うシーンも異質な感じが強烈で、ゾッとする。
ホラーのようでありコメディのようでもあった。緊張の中に、常に笑いを誘う可笑しさが演出されていたように思う。