Yukiko

マン・ダウン 戦士の約束のYukikoのネタバレレビュー・内容・結末

マン・ダウン 戦士の約束(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2017年9月27日
『マン・ダウン 戦士の約束』 2015年制作
監督、ディート・モンティエル。

米軍の海兵隊員のガブリエル(シャイア・ラブーフ)
は、妻子を残してアフガニスタンに赴く。
しかし、過酷な戦場で、PTSD
(心的外傷後ストレス障害)を患う。

PTSDとは、
命の安全が脅かされるような出来事
(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって
強い精神的衝撃を受けることが原因で、
著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしている
ストレス障害である。

戦争において精神的に崩壊する兵士が驚くべき
多数に上ったことから認知される。
戦闘ストレス反応という。
アメリカでは戦争から帰還した兵士の
PTSDが多い。

友人たちの手足が一瞬にして吹き千切れる
のを見、捕虜になり閉じ込められるなどして
孤立無援状態におかれたり、
一瞬にして吹き飛ばされ殺されるという
恐怖から気を緩める暇もないという状況が、
驚くべき現象を生み出したのである。

兵士たちはヒステリー患者と同じ行動をし始めた。
身体的には金縛りで動けなくなる、
震えが止まらない等が現れ、
精神的には金切り声ですすり泣く者や、
逆に感情が麻痺し、無言、無反応になる等が
現れたり、健忘が激しくなる者もいた。

軍の伝統的な立場のものは、
この現象を臆病者であるからだと結論し、
処罰と脅迫による電気ショック治療を提唱した。
進歩的なものは、精神障害であると人道的治療
を進めた。

近年認知され始めた例として無人航空機の
操縦者にPTSDを発症する率が高いという。
敵を殺傷する瞬間をカラーTVカメラや赤外線
カメラで鮮明に見ることが無人機の操縦員に
大きな精神的ストレスを与えているという
意見もある。

以上、ウィキペディアの
「心的外傷後ストレス障害」から。

このPTSDの説明を読むだけでも、なんだか
目を見張るものがある‼
まさに、この内容そのものを映像化した
映画だった。

大変なのは(本人もだろうけれど)、家族だ。
愛する家族だからこそ、受けとめ理解したい
ところだが、この映画のように、
本人は戦地にいるのと同じ行動をし、銃を持ち、
人を撃つようだと一緒に生活を営めないだろう。

ラストのエンドロール直前に、息子が母の
止めるのを聞かず、射殺された父の胸に
抱きついた!
父と息子、二人だけの約束の言葉を言って………
泣いた、胸がつまる。
Yukiko

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