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カーズ/クロスロードのTSのレビュー・感想・評価

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
3.9
【変わる世代】83点
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監督:ブライアン・フィー
製作国:アメリカ
ジャンル:アニメ
収録時間:109分
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2017年劇場鑑賞55本目。
前作2は番外編だった印象を受けましたが、今作は1同様しっかりとメッセージ性があり、深い感動を得れる良作だと思いました。我がベストムービー不滅の2位である『トイストーリー3』を意識したようなつくり。思えば『カーズ』が上映されたのは今から11年前。トイストーリーシリーズにも匹敵するこの時間軸の幅は、往年のカーズファンに大きな影響を与えるかと思います。僕自身は新作に合わせてここ一週間で鑑賞したのでその感動は薄め。これはトイストーリーシリーズも同じだと感じました。一気見というのはこういう時、非常に損です。

無敗のレーサーチャンピオンであったマックィーン。時は流れ、最先端の機能を搭載した車が次々と現れる。物理的にその車たちに勝てなくなってきたマックィーンは自問自答をする。自分はこのままレースを続けるべきなのか、それとも。最大のライバル、ジャクソン・ストームに果たして勝てるのか。。

あのマックィーンも時代の流れには勝てない。最先端の機能を搭載、そして最先端の技術を用いたトレーニングをしている若きレーサーたちにマックィーンはなす術がありません。自分の時代はもう終わった。。このあたりは『トイストーリー3』を彷彿させられます。世代が変わる。その悲しき現実が我々を感動に導きます。今作も『トイストーリー3』同様、かなり捻られた展開となっていますので予想は中々難しいです。そのあたりこそ、ピクサーの本領であり、つくづく感心させられてしまいます。

栄枯盛衰。どんな物事にも始まりがあり、終わりがあります。生き物の命は勿論ですし、自分が注目を浴びるという期間も有限の中に存在しています。今回は、車の機能というものが原因となっていますので精神論で覆すのは中々厳しいものがあります。それでも即座に引退宣言をしないマックィーン。彼なりのプライドがあるのでしょう。そのあらゆる方法を施す練習シーンも見ていて面白いですし、過去のキャラクターもこの陰鬱な雰囲気を消し飛ばしてくれます。しかし、我々が思うその行く末は避けて通れません。最強のジャクソン・ストームが優勝する確率は95パー以上。マックィーンは奇跡を起こすことが出来るのか?このあたりが最大の見所でしょう。

良作でありましたが、敵役のジャクソンをもっと活躍させた方が良かったのでは?と思ったこと。そして、展開の仕方によってかなり泣けるものになったかと思われます。泣けるかといえばもう一歩のとこでありました。おそらく往年のカーズファンからすると十分泣ける作品だとは思いますが、もう少し納得のいく展開も欲しかったところです。しかし、3でここまで良いものを作れるのは流石ピクサーといったところ。次作の『リメンバー・ミー』は久々の完全新作であるため更に期待が高まりました。

というか原題がカーズ3なのですからもうそのままで良くないですか?(笑)クロスロードと、わざわざカッコつけた邦題をつける意味があまりわかりません。。
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