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仕返しのnagashingのレビュー・感想・評価

仕返し(2002年製作の映画)
3.5
ポーランドではかなり有名らしい戯曲の映画化。ハッピーエンドな『ロミオとジュリエット』とでもいうべき筋立てで、反目する家長どうしの仕返しがまわりにまわって両家の縁組と和解につながってしまうアイロニカルな喜劇。
全編韻文のせりふが耳に心地よく、花嫁を奪われたと知ったときのリズミカルな「何!?何!?何!?」にはげらげら笑いました。シームレスに語られるダイアローグとモノローグや、人物がひんぱんに入退場をくりかえす長尺のシーンといった演劇的な形式が、映画のなかになじみきっていないことにより、むしろ絶妙な味わい深さとして作用している。
主演はワイダの盟友、ロマン・ポランスキー。ミドルティーンのナスターシャ・キンスキーとよろしくやっていたという私的けしからん映画人の上位にランクインしている男だが、本作の最高にキュートな道化っぷりには思わずほほがゆるんだ。ワイダのポランスキーへの友情というか愛情がひしひしと伝わってくる。
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