とり

亜人のとりのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
4.3
これは良い実写化。原作漫画が好きだったので軽い気持ちで観てみましたが、予想外の良作アクション映画でした。

2時間でまとめるなんてかなり無理じゃ?と思ってましたが、原作からの取捨選択にセンスを感じます。
各種設定にかなり大胆な改変がありますが、特に気にならないですね。
続編が頭にあったのか原作の途中で終わってますが、映画単体で綺麗に終わってて鑑賞後の気持ちも爽快。

特筆すべきは綾野剛。彼一人で全部持っていった感がすごい。怪演とも言える振り切ったキャラ像を違和感なく、しかもハイレベルなアクションまでこなしてます。そのアクションも役柄をちゃんと落とし込んだ動きなのでもうブラボーとしか言いようがないです。
対する佐藤健、正直言ってつまらない役柄でちょっと割を食ってます。誰よりも「影」が強い設定のはずなのにね⋯。
主人公というのは無難で面白みに欠けるキャラクター造形であることも多く、本作はその典型でした。
それでも、魅力的な悪役がいる映画は良い映画だなとも感じました。

戸崎役の玉山もまた割を食った存在でしたね。複雑な心情や背景を持った設定がばっさりカット。その上これといった見せ場もなし。
城田優はデカいのでそれだけで存在感あるんですが、ビジュアルがバイオハザードのレオン。悪役に見えなくて困る。
川栄とのバトルなんてサイズ感おかしくて特撮かと思いました。
亜人サイドの他メンバーの描写が薄めでしたが、総じて悪側に面白みが偏りがちだったのも正解だと思います。

報道シーンの映像をぼーっと見てたら、えっ大林宣彦!?エンドロールに名前が出ててやっぱりそうだったんだと驚きました。なんでカメオ出演?もしやこれが遺作⋯?
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