Yukiko

ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たちのYukikoのレビュー・感想・評価

4.3
2022年1月3日
『ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たち』
              2016年ノルウェー制作
監督、ニルス・ガウプ。

1204年、ノルウェー。
ホーコン3世が前国王の妃により毒殺される。
王が死の間際に、王の妾であるインガが生んだ隠し子の
存在を明かし、次期王にと、「ビルケバイネル」という
王に仕える騎士のシェルヴァンドとトリシュテンの
二人に託す。
そこでシェルヴァンドとトリシュテンは、インガを探し、
まだ赤ちゃんの次期王を、対立派のギスレ伯爵の弟の一派
から守ろうと行動する。


カーチェイスならぬスキーチェイスが良かった。
さすが北欧だ。

北欧映画と言えば、『特捜部Q~』のシリーズが面白くて💛
夢中になって観てた。
ノルウェー制作の映画と言えば、『ヘッドハンター』や、
『ハロルドが笑うその日まで』がある。

この『ラストキング』というタイトルを見て、ノルウェーの
最後の王様の話なんだと勝手に解釈していたが、観出し始め
た時に、ふと気になって1200年前後のノルウェーの歴史を
ネットで調べた。

スヴェレ王(1184~1202年在位)とマルガレータ・
エリクソドッテル・アヴ・スヴェーリェ(スウェーデン
出身)夫婦の実の娘クリスティンは女性であった。
跡継ぎは男子のみだった為に、スヴェレの庶子(側室の子)
だったホーコン3世が王位を継承した。
ホーコン3世の在位期間は約2年。1202~1204年。
継母であった皇太后に24歳で毒殺される。

映画は、実話を元にしていて、その後の正当な跡継ぎと
言われる赤ちゃんのホーコン4世を守る騎士たちと反対派
との壮絶な戦いを描いている。

ノルウェーの歴史を見ると、王位継承者は若くして
亡くなっている人が多い。
在位期間も短い。
その中で、ホーコン4世(映画の中の守られた赤ちゃん)
が、13歳で王として即位し、58~59歳で亡くなっている
のは驚きだ。

このホーコン4世の頃が、ノルウェーの最盛期を築き、
最も偉大な王と言われているらしい。

これらの背景を知ってこの映画を観ると、ホーコン4世が
「親政後は旧貴族を廃し、農民を上層基礎に内政を確立、
法慣習を成文化し、殺人、人妻略奪、親族による血の復讐を
禁じるなど、ノルウェーの古い社会秩序に打撃を加えた」
(この項、Wikipediaより抜粋)理由が少しは分かるような
気がする。

ノルウェー王国は今も続いていて、現在はハーラル5世が
在位中。1991年~現在。
そして、ソニア・ハーラルセンさんとの間に2人の子。
長女のマッタ・ルイーセ王女は王位継承順位第4位との
ことだ。
法が変わって、女性でも王位継承権があるんだね。
Yukiko

Yukiko