アニメーション、デフォルメには簡単には飲み込めないものを飲み込みやすくする効果がある。その面でいうなればアニメは「おくすり飲めたね」と言ってもいいのではないだろうか。
本作の舞台は孤児院。主人公ズッキーニをはじめ、子供たちはそれぞれワケありで、辛く重い過去を背負っている。
しかしながらこの映画は、そんな子供達が抱えているあまりにも酷な事柄が、クレイアニメという皮で包みれていることで、とても受け止めやすくなっている。クレイアニメのタッチは可愛らしく、温かみがあるのだ。
愛を知らず傷ついた子供達は、孤児院の生活の中で、本来の愛、つまりは人への愛、人からの愛を知っていく。切なくて暖かい、とても考えさせられる映画だった。
