あっさりゆで卵

いぬやしきのあっさりゆで卵のネタバレレビュー・内容・結末

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

映像表現が素晴らしかった。ハリウッドに引けを取らないと言うのは、言い過ぎかもしれないけれど、それくらいよく感じた。
俳優陣も皆良い。特に、とんねるず木梨憲武。完璧に定年間近の家庭にも職場にも居場所のない会社員を熱演してる。
物語の頭とケツにタイトルが2回出るが、最初は静かに最後は勇ましくのその出方が物語においての犬屋敷と呼応しているようにも思えて良かったと思う。

ただ、ストーリーに少しのりきれなかった。
娘からの犬屋敷の評価は変わったと思うが、提示された家族の問題ってのが改善されているようには思えなかったのが残念。
獅子神の物語も同時に進んで行くが、結局は母親の死もしおんの死も彼が調布の家族を惨殺したからで、全く同情の余地がないなと思えて仕方ない。動機もイマイチ良く分からない。
尺の決まっている映画に、ここまで求めるのは野暮だとは思うけれど。

しかし、楽しめる作品だったのは間違いないと思う。