J四郎

いぬやしきのJ四郎のレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.7
漫画原作モノで「アイアムアヒーロー」などの佐藤信介監督が手がけております。「GANTZ」と同じ作者の漫画版は奇抜なアイデアが盛り込まれていた。なんせSFヒーローものなのに主人公の設定からして定年間近のオッサン・・というよりジジイと呼んだ方がいいくらい老けた人でしたから。

コレは漫画原作モノとしては結構良い線をいっていると思う。機械人間になってしまった主人公2人を分かりやすく対比させているし、決戦までの話をキレイにまとめている。

ただダークヒーローっちゅうか完全にヴィランな獅子神のほうがメインになってるかな?佐藤健が高校生っちゅうのはさすがに厳しいが、この強烈なキャラを見事に演じております。ただ木梨の犬屋敷さんの方はというとこの煽りでやや薄味な描写に思えた。原作では彼がヒーローに目覚める感動的シーンもココではそこまでじゃなかったし。

原作のとき思ったが和製でアメコミヒーローをやったらこんな感じかな?
実写でこうやって見ると話も戦闘もよりアメコミっぽい。VFXも日本のSFものとしてはかなり頑張っている方だろう。流石に原作ほどに獅子神の大暴れは再現されてないが。やれる事に制限ある中、見せ方が上手いんだろうね。

原作モノの宿命というか映画の尺にまとめただけあって、唐突な展開やキャラの描写不足なのは否めない。せっかく映画オリジナルの弱点も加えたのにイマイチ決め手になってないのも爽快感に欠けた。それでも娯楽作として充分面白いと思いますよ。
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