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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルの655321のレビュー・感想・評価

3.7
羅生門スタイル(信頼できない語り手)によって生み出される悲喜劇の距離感は抜群。
実話でありフィクションであるからこそ、目の前の惨状は笑えて恐ろしい。
何が真実か分からない事が各人にとってフェアであるというのは皮肉だ。

トーニャは「ファッキンフェア!」
と叫びながらとにかく公平さを求めていた。
誰かや何かのせいにして、
血反吐を吐きながら立ち上がるしぶとさには感嘆する。

真実なんて無い。
それが彼女が辿り着いた境地。
華やかなフィギュアスケートの影にあるクズどもの舞踏会。
欺瞞に満ちたリンクの上で、彼女は踊り狂う。
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