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デ・パルマのblacknessfallのレビュー・感想・評価

デ・パルマ(2015年製作の映画)
3.6
自発的に思い立って友達と一緒に映画館で観た最初の映画がアンタッチャブル。
当時は良くも悪くもバイオレンスに寛容な時代だったから、デ・ニーロの演じるカポネが裏切った幹部を木製バットでバコンバコン打ちのめして撲殺するシーンをテレビでガンガン流れてた。
この映像がなんかもうグロかっちょ良くてこれは観るしかねえなと思って映画館に。

ファントム・オブ・パラダイスのエンディングで流れる曲。
人に好かれず なにも取り柄がないなら死んじまえ
悪いことは言わない 生きたところで負け犬
死ねば音楽ぐらい残る
ストーリーもいいんだけど、この歌詞が当時の自分の心情にマッチしすぎてて死刑宣告と天啓を同時に受けたような形容しがたいモードにジャック・インして、音楽残さねえとヤバいと思い、それまでコピーしかやってなかったバンドでオリジナルを作ることにした。

人生のフックになった作品を2つも撮ってる監督のドキュメンタリーだからあったら観るよね。

デビュー作から最新作のパッションの1つ手前までを1作1作語っていく形式。
インディから大パジェットのメジャー作まで色々撮ってるから。エピソードもスケールのデカイのからショボいのまで様々でデ・パルマ好きなら興味深く飽きずに見られる仕様。

エピソードでダントツにおもしろかったのはカジュアリティーズでマイケル・J・フォックスとショーン・ペンの仲が最悪で、ペンがフォックスを脅すシーンは全部ガッチガチだったらしく、それであの緊張感が生まれたって話。
当時、荒くれブチキレ・キャラで名を馳せてたペンがフォックスを一方的に嫌っていたとのことだけど、それを語る時のデ・パルマがめっちゃ楽しそうなんだよな笑
「フォックスには気の毒だったけどいい画が撮れたよ~💕」みたいな感じで、映画監督の狂気と業が炸裂してた笑

これは映画製作中のエピソードじゃないんだけど、デ・パルマが若い時、お父さんを尾行してお父さんが浮気してる現場に踏み込んでナイフを突きつけてどやしつけたって話もびっくり笑
その時の尾行が殺しのドレスの尾行シーンに結実してるって話が結ばれちゃうんだけど、ナイフ突きつけてどやしつけた後の展開が気になるよ😂

あとは自分は~主義で~の手法を受け継いでいるって言ってるとこも印象的だった。まあ、デ・パルマと言えばそうだよねって強く納得する。
~は観て確かめてください😀

デ・パルマで一番好きな映画はファントム・オブ・パラダイスでもアンタッチャブルでもなくキャリーです笑
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